海外駐在が決まって真っ先に頭をよぎったのは——
「愛犬をどうやって連れて行こう?」でした。
正直に言うと、人間よりもペットの渡航準備が何倍も大変でした。
この記事では、私が日本からドイツへ犬を連れて行くまでに経験した「リアルな大変さ」と、これから準備する方が後悔しないためのステップをまとめます。

ペットと渡航する場合は余裕をもって準備よろしくだぜッ
1. ペットの渡航は「日本の輸出ルール」と「渡航先の輸入ルール」両方が必要
まず押さえておきたいのは、ペットの渡航には2つの国のルールが関係するということ。
- 日本の「動物検疫所」が定める輸出の条件
- 渡航先(今回はドイツ)の輸入条件
どちらか一方だけ満たしても、飛行機に乗れません。
どちらも完璧に揃えることが必須です。
🔗 参考:農林水産省 動物検疫所公式サイト
→ここを熟読するのがすべての第一歩です。
2. 準備の流れ(最低でも3〜6か月前から!)
ペットの輸出準備は、思った以上に時間がかかります。
渡航日が決まったら、すぐに以下をスケジュールに組み込みましょう。
✅ ステップ1:マイクロチップの装着
・必須項目です。
・装着後でないと、狂犬病ワクチン接種が「有効」と認められません。
・番号が読み取れるかを確認し、書類にも記載されます。
✅ ステップ2:狂犬病ワクチンの接種(2回必要)
- マイクロチップ装着後、2回の接種が必要。
- 2回目の接種は1回目から30日以上間隔を空ける必要があります。
- さらに2回目接種から2週間(推奨)空けてから抗体検査です。急ぎの場合、すぐ検査してもいいですが、ブースト効果が出るのは2週間以上との事です。
- この2回の接種からさらに21日経過後でないと、ドイツに入国できません。
ここで多くの人がスケジュール遅延します。
「渡航日が決まってからでは間に合わない」ことも多いので、早めの計画を!

最初は余裕でしょ!と思ってたら、この30日以上間隔を空けることを知らず、
ほんとにめっちゃ焦りました、、リアルに実家に預けることを考えたくらいです。
獣医さんは当然渡航先のルールを知らないので、飼い主がルールを調べて、
いつまでに何回、何日後に接種など調べて獣医さんに伝えてください。
※日数、基準値等は必ず最新情報を見てください。
狂犬病抗体検査の流れ
- マイクロチップを埋め込む(国際規格準拠、渡航前に必須)。
- 狂犬病ワクチンを計2回接種(1回目と2回目は30日以上間隔)。
- 2回目接種後、通常2週間以上たってから採血がおすすめ(早くても可)。
- 動物病院で採血し血清化、検査申請書を作成。
- 血清・申請書・検査料金振込証などを指定検査施設に冷蔵で送付。
- 検査機関で0.5IU/ml以上の抗体価が確認されると証明書発行。
- 有効期間は採血日から2年間。
✅ ステップ3:輸出検査書類の準備
・動物病院で獣医師に発行してもらう証明書、検査結果など。
・検疫所への事前申請も必要です。
・英語またはドイツ語表記の書類が求められる場合があります。
✅ ステップ4:動物検疫所での「輸出検査」(出発10日以内)
・空港にある動物検疫所で書類と実物チェック。
・※予約が必須。
・渡航当日ではなく前日に検査+前泊するのがおすすめ。
書類不備が見つかった場合に対応できなくなります。
3. ドイツの動物輸入ルールはとにかく細かい!
ドイツはEUの中でも特に厳しい国のひとつです。
狂犬病対策が徹底されており、条件を1つでも満たしていないと入国不可。
以下はドイツ側で求められる主な条件:
- ISO規格のマイクロチップ装着
- 有効な狂犬病ワクチン証明書
- EU加盟国形式の獣医証明書(Form Aなど)
- 検疫所で発行される「輸出検疫証明書」原本
これらがすべて揃って初めて「ペットのパスポート」が完成します。
**1枚でも書類が欠けていたら、搭乗NG。つまり“渡航できない”**という厳しさです。
4. 我が家の実体験:「犬の書類準備が一番大変だった」
書類はすべて英語、日付の有効期限、接種間隔の確認……。
ひとつでも抜けていたらやり直し。
正直、人間のビザ申請よりも神経を使いました。
✈️ 我が家の場合:
出発前に羽田の動物検疫所で検査を受けるため、前泊しました。
当日に検査を入れるのは危険。渋滞や書類不備があったら間に合いません。
「絶対に渡航したい」なら、前泊+時間の余裕を取るのが鉄則です。
5. 出国までにやっておくべき「早めリスト」
| 時期 | やること |
|---|---|
| 半年前 | マイクロチップ装着、狂犬病1回目接種 |
| 5か月前 | 狂犬病2回目接種 |
| 4〜3か月前 | 抗体検査(必要に応じて) |
| 1か月前 | 動物検疫所への事前相談・申請 |
| 出発10日前以内 | 検疫所で輸出検査・証明書発行 |
| 出発前日 | 前泊(書類・キャリー・水分確認) |
6. まとめ:人間よりも“ペットの準備”が先!
駐在準備の中で、一番時間がかかり、気力も使ったのが愛犬の渡航準備でした。
「ペットも家族」だからこそ、どんなに面倒でもきちんと手続きを進めることが大切です。
早くから準備を始めれば、当日の不安も激減します。
これから渡航予定の方はぜひ、
👉 「ペットの書類は最優先で動く!」
これだけは忘れずに。

今回のスケジュール感はかなり余裕のあるスケジュールです。
我が家はもっとギリギリだったので危うく日本にお留守番でした。
ペット帯同の皆さんは余裕もってね。ペットは家族だゼ!!
✈️ 次回予告
次の記事では「犬を飛行機に乗せるまでの実際の流れ(貨物?客室?費用は?)」を詳しく紹介します。
→ 【ペット渡航・後編】フライト当日の注意点と到着後の流れ
それでは!✋




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